ダイエットに成功して目標体重に達した後,あるいは途中で挫折した人が,ダイエットの反動で元の体重に戻ることをリバウンドと言います.元に戻るだけでなく,更に太ってしまう場合もあります.
ダイエットを行った70%の人が3年以内にリバウンドを経験しているとも言われています.リバウンドの問題点を挙げてみましょう.
1)リバウンドを繰り返していると,痩せにくい身体になってしまう
<マウスを使った減量とリバウンドの実験>

これは,マウスを使って,ダイエットと減量を繰り返させた実験です.青い直線は減量中の体重の推移,赤い直線はリバウンド中の体重の推移です.実際は,細かい上下があるはずですが,模式的に描いてあります.
1回目の減量には21日かかり,そのリバウンドに46日かかっています.2回目の減量には最初の倍以上の46日かかり,リバウンドは半分以下の14日で元の体重に戻ってしまっています.
一度ダイエットをすると脂肪を作る酵素の働きが上昇します.そのために,2回目のダイエットは脂肪の減少に対し,作られる脂肪が1回目より多く,痩せるのに日数がかかってしまいました.リバウンド時は脂肪を作る酵素が活発に働いており,僅かな日数で戻ったことがわかります.
人間でも同じ経過が考えられ,ダイエットを繰り返していると,痩せにくく,太りやすい体質に変わってしまいます.
女性で,水着を着るために夏前になるとダイエットをし,秋になると食欲の秋とばかりに太る方がいますが,痩せにくい体質になってしまいます.
ダイエットを始めたら,途中で(一生)中止しない覚悟が必要です.本当のダイエットは減量に成功してから始まります.
2)リバウンドで増えた体重分は脂肪の場合が多い.

このグラフは,Aさんと,Bさんの体重の推移を模式化したものです.ダイエット開始時には二人とも80Kgで,体脂肪率は25%でした.目標体重は60Kgです.Aさんは,摂取カロリーを少し減らし,歩行を増やして月に1Kg程度の緩やかな減量を行い,1年後には70kgになりました.Bさんは,食事を極端に減らして,無理なダイエットを続け,月に5Kgもの減量をして,4ヶ月後には目標の60Kgに達しました.ここで安心したのと,無理なダイエットが長続きする訳もなく,だんだん食事量が増えて,リバウンドし,1年後には,Aさんと同じ70Kgになりました.最初と,最後だけ比較すれば,二人の体重は同じですが,体脂肪はどうでしょうか.Aさんの体脂肪は順調に減って20%とほとんど正常域になりましたが,Bさんは体重は10Kg減っているのにもかかわらず,体脂肪は30%と逆に増えてしまっています.Bさんが4ヶ月間無理なダイエットをして減ったのは,身体の水分と筋肉や骨です.そしてリバウンドで増えたのはほとんど脂肪です.ですから,身体を構成する脂肪の比率は逆に増えてしまいました.
健康を増進するはずのダイエットが逆に不健康の元となってしまっています.
<停滞期の危機>

このグラフは,私自身の体重の推移です.最初は順調に体重が減りましたが,72Kg代で,1ヶ月近くの停滞期があります.その後1Kg急激に減った後,71Kg代で停滞期が始まっています.
ダイエットを始めた頃は,身体の余分な水分が抜け,宿便がとれたりして快調に体重が減っていきますが,ある程度経つと体重がほとんど減らない時期が来ます.これが停滞期です.
これは,身体の適応現象です.摂取カロリーが減って体重が減少してくる事は,身体にとっては非常事態ですから,消費エネルギーを減らし,栄養吸収能力を高めて体重を維持するように抵抗します.ですから,その間は体重は減らなくなってしまうのです.数週間この状態が続くと,身体はこの状態に慣れてきて,気を緩めた時に,また体重が減り始めます.
このように階段状に減って行くのが正しいダイエットであり,停滞期無しに一気に下がって行く場合はやり方が間違っている可能性があります.
停滞期は必ず訪れるものです.この事を良く理解して,この時期に「もうやめた」と挫折しないようにしましょう.